【四年生必見】卒業設計で成功する5つのポイント①
卒業設計
それは毎年死者、行方不明者が出る死の行進曲。
大学一年のときから卒業設計(美大では又の名を卒業制作と呼ぶ。 )の選抜講評会は憧れの場だった。
選抜された先輩がスピーチを聞いていつか自分もあの場に立ちたいと思っていた。
だから先輩の制作姿や、作業進捗度合い、成果物、制作してるときの雰囲気を見てどういった人が受賞できるのか四年間研究してきた。
運良く特別賞をいただいた私が卒制を成功させる方法を、自戒も込めて話します。
(自分を手伝ってくれた後輩が読んでるといいな。)
ただし研究内容、設計主旨がまとまっているのを前提とします。
1.主旨は1分以内伝えられるように
なにつくるの?集住?美術館?とか会話してる上で詰んでる!
大事なのはプログラムをなににするかじゃない!
なにをつくるじゃなくて、なにをしたいのか
なにを、どのような問題や課題を、どのようにしたいのか。
それが簡潔に言えないと主旨がまとまっているとは言えない。講評のときに教授に
で?
と聞き返されます。
主旨を文章にしたり、教授や友達に話したりして推敲して
設計に入るのはそれからだ。
2.設計する意義はあるのか
あなたのコンセプトは共感してもらえるのか
今の時代になぜそれを設計するのか
他の人でなくてなぜ自分なのか
建築ってのは基本自分のお金でつくらないので、社会性があるかどうかが問われている気がする。
美大の卒業制作だって社会への提案をもつ作品は強い。
自己満足でなく、他の人が感動を共有してくれること。これが評価をもらえる人の共通点。
ちゃんと伝えられるように考えよう。
私は個人的なテーマから入ってしまったので、やりたいことがうまく伝えられなかったな。個人の問題じゃなくて社会や街の問題として提起すればよかった。見せ方に問題があったな…
一方
評価なんて関係ない。自分の満足できるものをつくりたい。っていう人はなにか圧倒的な物量と情熱で超えてください。
卒制はなにはともあれ、計画
3-1.計画「 お金 」
ストーリーの組み立て方や設計のセンスが凡人の私が賞をいただけた勝因は
お金である。
お金をどう使うか計画を立てた。
使える卒制資金額を決める。
次にだいたいの材料代とお手伝いさんの食費、月ごとに決める。
予算額を超えないようにしよう。
逆に下回る時はもっとお金を使っていい時。お手伝いさんたくさん呼ぶとか、素材買ってスタディするとか、して。
確か私は材料代とお手伝いさんの食費合わせて10万だった。
学外の卒制展出したときそこで最優秀賞取った人と話したが
「10万?ぼく研究室でスチボが配布されたんで総額2万ですみました。」
っていう強者がいてちくしょう、って思いましたね。
3-2.計画 「工程 」
期限を細かく設けそこにむかってなにをアウトプットしていくか工程表をつくって!絶対。
絶対に工程はずれるので提出の1週間前に仕上げるつもりで見積もって!
それでもぎりぎりだったよ。
学内で一等取った人はバーチカルタイプのスケジュールをつなげて一枚の巻物みたいにはってた。
スケジュールはゼミ室に貼っておくとみんなの視線をかんじてやらなきゃ、って気になりますね。
提出2ヶ月半前の今の時期は1/300のスタディしてました。このあたりはみんな余裕こいて学校来ないんで机が広く使えてよかった。
4.自己分析をする
まず、自己の研究をしよう。
自分はどういうタイプなのか。これによって進め方が大きく異なる。
①1人でもくもくとタイプ
お手伝い使わないパターン。指示するのめんどい、後輩いないし、的な人間。指示を考えない分設計に時間を使える。
②カリスマリーダー、俺についてこいタイプ
ひとつの設計事務所みたいな進め方。センスがあって後輩から尊敬されてる人はこのやりかたでできるからうらやましい。
③なんにもできない、気づいたらお神輿に担がれてるパターン
優秀なお手伝いに担がれて気づいたらお神輿に担がれて踊ってるパターン。人脈広いといいよね。
それも一つの才能。
④とくにどれにもあてはまらないパターン
そんなときはお金を使って後輩を手懐けてください。一人暮らしの後輩とか夕飯をごちそうしてあげてください。
人海戦術で乗り切ろう。
5.素材の研究
よく卒制だから普段使わない材料使いたいな!って人いるけど、大抵失敗する。
いつもつかっている材料を使う。それか徹底的に素材研究をする。
スプレー1本とってもカラーサンプルをつくって材料の研究をする。
ジェッソの粒子はLかLLか、はたまたモデペなのか…
これをするかしないかで仕上がりに大きな差が出る。
私は模型で見せたかったので素材研究を徹底した。
模型頑張りすぎて図面が遅すぎたけど…
今の時期、図面がやる気でないわーって人は材料の研究でもしとくといいかも。
ただしほどほどに。
この方法を試したからといってあなたの卒制が必ず成功するとはかぎらないが、成功する人はだいたいこれらのことをよく研究している。
なにをもって成功というのか、自分なりの目標を決めて邁進してください。